英検1級。二次試験の壁。英検協会の方針をよく理解すべき。


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みなさんこんばんは。高上代表佐藤一行です。2月28日(火曜日)15時に2016年度第3回、実用英語技能試験のネットでの合格発表がありました。 英検1級は、昔は一次試験に焦点が当てられがちな試験であり、二次試験単独での合格率は7割ほどであったものですが、今ではだいぶ下がっているようにも感じます。 英検も新傾向になり、一貫して思うことは、一次試験の難易度はそのままに、二次試験での能力をより重視するようになったということです。これを読んでいる方の中にも、一次試験は突破したけれど、二次試験は何度も失敗してしまい、悔しい思いをしている方もいるかもしれません。それは日本で英語の学習をふつうにしているのであれば、ごく当然な話です。 一次試験についてはこちらで前回書いたので、今回はつかみどころがないと言われる英検1級の二次試験に焦点を当てて語ります。

2分間のスピーチ。短すぎても長すぎてもダメ。だがその前にできるようになるべきことがある。

タイトル通り、短すぎても長すぎてもダメ。理想的な長さは、公式サイトを見るに1分50秒~2分2秒くらいです。二分をこえてくるとストップがかかる。と思いましょう。 要は大事なこととして、1分50秒にもなったら、必ず締めの言葉を話し始めるべきです。 ぱっと思い浮かべられなければ、 In short, I am fully convinced that [         ] is  the key to solve the perplexing problem. とでも言って締めてしまうことです。(もちろん[                ]には、選んだスピーチの最も大事な一語を入れる。) 二分を過ぎてもさらに新しい英文を言おうとするとまず間違いなく遮られて止められ、もちろん減点対象となる。これも踏まえておきましょう。二分が経過する数秒前から言い始めた一文を二分を数秒過ぎて言い終わった。これくらいがギリギリのラインです。 また、1分30秒程度でもやはり短いとみなされて、減点対象になることも付け加えておきます。 しかしそれ以上に読者のみなさんにお尋ねしたいことがあります。

そもそも人前で話すことが得意なのか。普段、二分間も独白することがあるのか。

ということです。アメリカ人にはスピーチは得意な学生が多いです。やはり自己主張をしてなんぼな国であり、思っていることは言葉に出さなければ通じないという文化が根付いているからでしょう。 札幌では立命館高校などが、スピーチの必要性をかなり強調し、普段から生徒に様々なスピーチの機会を与えています。(ときにそれが生徒を困らせていますが。)しかし日本の普通の高校生や大学生なども、人前で二分続けて話すこと、一方の人が連続して話し続ける機会など、そもそもあまりないでしょう。 日本語でもいいのです。全く同じスピーチを与えられたとして、二分間で満足のいくスピーチをまとめる自信はあるでしょうか? 私の経験上、日本語でも話がまとまらず二分間きれいに話せないようだと、英語で即興で受かることはまず無理です。

スピーチを作り込んでおくことと、その落とし穴。

もし1分間で即興でスピーチが作れそうもなく、2分間のスピーチも苦手というのなら、間違いなく事前にスピーチを作り込んでおくべきです。私が昔英検に受かったときもそうしました。ただし、もちろんここでも落とし穴がありまして、自分で準備したのと同じ問題など運がよくなければ出ないのです。 更には、運が悪いと準備したスピーチが5つすべての問題と全く異なるものであることさえあります。 こうなる確率を下げるためにはやることはもちろん決まっています。

作り込み作戦を成功させるためには覚悟を決めなければならない。

私も当時30本はスピーチを作って丸暗記して臨みましたが、ある程度の確率をもって本番で当てるためには30本は最低ラインと考えましょう。 しかも、科学技術、社会問題、環境問題、インターネット社会など、様々な範囲にわたって作り込まなければいけません。これはなかなか難儀な話です。 高上では、英検1級を受けるのは受験者本人なので、高上の生徒のスピーチ作成代行は決して致しませんが、作ったものを添削することはできます。(英作文の指導料など、詳細は近日公開。) 何とか乗り切った英検1級一次試験。もし実力に自信がなく、それでもチャンスを活かしたいというのであれば、覚悟をもって、スピーチを作り込み暗記しましょう。それだけの価値はある試験です。そもそも4回落ちてもう一度一次からなど(実際にこういう人は何十人、何百人といる。あきらめて受けるのをやめてしまう人さえも。)考えたくもないでしょう。 それでは何とか30本スピーチを作り込みきれいに暗記したとしましょう。それを活かすためにすべきことはなんでしょうか? きちんと言えたはずなのに、結果はダメだったなどということもよくある話なのです。

そもそも話している英語が通じているか。抑揚、発音の訓練はしているか。

いいたいことは言えた。内容も間違っていないはず。それでも落ちるということもあります。それは偏にあなたの英語が相手に通じていないという事実と向き合いましょう。せっかくがんばって話しているのに何を言っているのか相手は分かっていないのです。 英検1級では、通じない場合、向こうは聞き返してきたりしません。単に減点されて終わりです。 英会話では楽しく英語を話せていると思う人もいるかもしれません。ただし、忘れてはいけません。日本で英会話を教えている外国人の多くは、それが仕事なのでちょっとても会話が続けば”good job”と褒めて、例えあなたに「ユーアーネィティブ」(本来は差別的な発言です。)と言われても笑って済ませるような人が大半です。客商売で指導しているため甘くなりがちなのです。 実際私は、滝川クリステルさんよろしく素晴らしいおもてなしの精神などまるで持ち合わせていないので、通訳案内士として仕事をしてはいませんが、その講習会で少なくとも将来通訳をするのであろう、その予備生たちが集まった場で、一人一人が皆の前でスピーチをする機会が何度もあり、その人たちの何かぼそぼそと何を言っているのかよくわからない言語らしきものを聞いて、正直愕然としたことがあります。 実際に現役で働いておられる先生だけが、言いたいことが伝わる言葉を話しているという印象でした。 通訳をこれからしようかという人でさえそうなのですから、普段英会話を習っているからと、そうやすやすと通るようなものではないこと。英検の試験官も、あなたの話している英語らしき言葉を、仕事として、プロとして、公正な試験官として、正当な英語とみなすとどうなるか、客観的に評価している、と肝に銘じておきましょう。 発音や抑揚は今では優れた教材があります。American accent training など有名ですよ。  

筆記試験とはまるで違う、文法の必要性。

文法の本は、いくらでもあります。日本のいびつな英語教育を反映するかの如く、かなりの数の英文法の本が存在します。しかしそれを読んだからと言って、英検の二次対策になることなどないことはみなさんよくわかるでしょう。 そもそも、話す試験ですから、話したときに正しい表現を言えなければどうしようもないわけで。  

そもそも文法ができるとは何か。

四択問題で正しい答えを選べることではありません。ある文法の示す内容を理解していること。(例えば、現在完了だと今を基準に過去を振り返る表現である、など。)そしてそれ以上に大事なのは単に正しい表現を覚えているかどうかです。 私は普段多くの受験生にも英語を指導し英作文も見ていますが、三単現のSのつけ忘れが非常に多いことにうんざりしています。 そしてことあるごとにこう言っています。 「いいかい。アメリカ人は正しい表現を音で覚えているんだよ。例えば君はタンスのことを間違ってテンスと言ったりはしないだろう?」 と。要は、外国人にとって聞き覚えのない表現、普段外国人が使用しない言葉は、全て文法的に間違っている言葉と認識されるのであって。 受験生にはそのあと 「君はルールを知っているのだからもっと注意して書きなさい」 で済ませますが、英検の二次ではそれでは済まないのです。 正しい表現を覚えている必要があるのです。 間違えて、 That country will be more richer. とかついうっかり言っていませんか? (比較級だとなんでもかんでもmoreをつける日本人は非常に多い。私もずーっと昔はそうだった。) That system has improved since ten years ago. ではなくて ふつうは That system has improved in the last ten years. ですよ? 正しい表現を覚えてこそ、実際にスピーチでも話せるようになるのです。この点も非常に大事です。  

顔を見て英語学習をしているか?

そもそも質疑応答が苦手になっている大きな原因は、日本の英語教育が文字に頼り過ぎているからであり、英語の語感をつかめていないこと、音声的蓄積が乏しいこと、言語とは本来相手の顔を見て話しかけることが基本なのに、顔をみないで英語学習をしてきたつけだと私は思っています。 ただ、今では娯楽の分野に、多くのすぐれた英語教材があるのです。好きな映画でも構いません。漫画でもよいでしょう。英語を使って笑ってみる。そうやって英語との距離を近づけていく。話し手の顔を見て英語を感じていく。
英検だけではありません、遠回りであるようで、日本人の英語学習者にとっても最も大事なことであるとさえ私は日々感じております。
 

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