さよなら現行TOEIC~今後はトリプルパッセージのお出まし~キーワードは「3」


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まずは昨日現行最後のTOEIC、第209回を受験されたみなさま、お疲れ様でした。ご存知の方も多いかと思いますが、昨日4月10日をもって、現行のTOEICが終了となり、次回 2016年5月29日、第210回から新しいTOEICが始まります。

難易度はどうなるのか?

正直な話、難易度は初めのうちはやや下がると勝手に思っております。と言うのも、大学受験においては特に顕著ですが、新傾向って普通は難易度が下がるものなんです。形式が変わったら、それだけで受験者はあわてるので。英語の地力がそこそこあって、妙なテクニックに頼っていない受験生には、大して影響はないでしょう。ただし1つ条件があります。読み取りと聞き取りがともに自然であることです。

自然な読み方とは何か?

自然な読み方。左から右へと英文を読み進めて行き、ピリオドに辿り着いたとき、きちんと内容が理解できているのが自然な読み方です。800点前後の場合、日本語が頭の中にでてきてもまだ仕方ないですが、確実に900点を超えるならば、
日本語訳など頭に出なくても理解できる状態になる
ことが理想です。

実際にどこが変わるのか? 鍵は数字の3である。

listeningで三人の会話が出たり、readingでトリプルパッセージ(関連のある英文が3つ出る)が出たりと、カギとなるのは数字の3であると言えるでしょう。
細かく言えば、ラインの文章が出てきたり、リスニングでは図を読み取りながら英文を聴く必要が出たり。
所詮は表面的な違いに過ぎないと思います。 そもそも新しくなると言ったって、それは一部分だけで、昨日までのTOEICと8割方は同じ形式で問題数もそのままですからね。(ダブルパッセージもそのまま残る。それに加えてトリプルが出るというだけ。)

そもそも抜本的な変革とは何か?

TOEICがもし、今の2技能、listeningとreadingだけの形式に、speakingとwritingも加えられたら、私はもっと積極的に受けるでしょう。つまりTOEFLIBTの、TOEICバージョンです。日本の英語教育にとっても、とても良い影響を与えること請け合いです。 しかし、現行TOEICは主に上記の二種類に分類されています。(実際にはあと一つspeakingのみのTOEICがある)そしてこの二種類が統合されることなどないように思われます。少し古い話になりますが、TOEIC speaking and writingのテストが始まったとき、(スピーキングテスト/ライティングテストは、2007年1月21日に東京・大阪・名古屋等の主要都市で初めて実施された)受験者が集まらず、
受験申し込み期間を過ぎた、試験の直前になっても、まだ受験者を募集する
などと言うさもしい事態になっていました。私のところにも受験しませんか?とメールが来ましたからね。TOEICを作成しているETSは自分たちのことを非営利団体と称していますが、実質独占状態に近いですし、日本の表現の自由を踏みにじってまで問題の再現禁止を訴えているところを見ると、結局のところ、問題を作成するスピードが、試験実施回数に追いつかず、見返りが十分に得られないことからくるのでしょう。そんな思いをしているETSが、あえて今、TOEICの受験者が減るような改革に乗り出すとは思えませんし、TOEICの統合、そんな噂もどこからも出ていません。 そして、そもそもTOEICにはもう一つ根本的な欠陥があります。新形式に移行してもなおさらに、です。

TOEICの欠陥

一言で言えば、スラングが完全に排除されていることでしょう。 NAT86_eijishinbuntochoko-thumb-815xauto-16785 スラングなんて、と侮るなかれ。バカにすることなかれ。英語も言語であり、人間が使用する以上、汚い感情や、性的な表現、激しい怒りや、憎しみ、多大な喜びなどあるのは当然です。そして、そこにこそ言語高上のカギがあると私は思っています。だからこそ、高上では特徴の一つとして、sitcom(アメリカの喜劇)を提案していますし。 フルハウス1つ見てみても、シリーズも序盤で、ステファニーはまだあんなに小さい子ども(5~6歳くらいのように見受けられる)にもかかわらず、今の私より自然な英語をしゃべりますからね。ステファニーはあの年では英検1級には受からないでしょう。一方私が例えば明日英検1級の試験を受けても受かるでしょう。しかし、実際にアメリカ人と会話した場合、どちらの言いたいこと、どちらの感情がより自然に伝わるかと言われれば、間違いなくステファニーの方なのです。ここら辺は、今の私も大いに学ぶ必要があります。

日常会話は簡単ではない。

よく英会話のレベル診断で、日常会話くらいはできるというのがありますが、まったくの出鱈目だとさえ時に感じます。日常会話は実は難しいのです。前置詞をきれいに使う必要があります。発音を矯正する必要もあります。スラングも理解できなければいけません。多くの名詞、固有名詞を知らなければ会話が成り立ちません。 実際私は、日常会話をきれいに話せる日本人など一人しか知りません。その男の奥さんはアメリカ人女性であり、習うより慣れろで学んだのでしょう。そして、そのN君は、GMATと言う、アメリカ人向けの試験でも高い点数を出しています。要は基礎がしっかりしているのです。言語である以上、英語の基礎は日常会話にあり、日本人はここですでに躓いている場合が非常に多いのです。だから、英語も伸びていかないし、話せるようにもならない。余談ですがN君は耳もとてもいいので、英語の発音もとても綺麗です。言語である以上、音痴より、例えば絶対音感を持っている人の方が伸びが早いのも当然なのでしょう。 TOEICの場合、残念ながら、その日常会話の再現性と言う意味では、不完全と言わざるを得ないのです。あんな堅苦しい表現ばかりをアメリカ人は使いません。もっと言えば、with whoとか平気で言います。(whomは言いにくいだけ。ただwith whoは今でも誤用法とされている)

それではTOEICを受ける意味などないのか?

批判的な記事ばかり書いているので、そう思われるかもしれませんが、私はそうは考えていません。TOEICも英検と並んで、きちんと解ける仕様になっており、問題の精度は大学受験のそれをはるかに上回ります。慶應の法学部なんて、熟語について詳しく聞きたいがために、ものすごくいびつな文章を無理やり作って、毎回出してきますからね。その点TOEICは新しくなっても、精度は高いままで、本文中に確実にポイントが書いてあり、選択肢の正解、不正解が実力があれば確信をもって得られる。ここに最大の特徴があります。 さらに言えば、TOEICの勉強→英語の地力の向上はあまり望めませんが、 その対偶、
英語力の高上→TOEICのスコアアップ
は非常に容易なのです。 よって、普段から英語の地力を上げるよう努力して、(sitcomを利用するなど。TOEICの問題を解きまくることに終始したりしない)TOEICを簡単に感じ、点数が上がったならば、それは日ごろの努力の成果が出ていることに他ありません。

難易度はどう推移すると思われるか?

新形式になった第210回はそれなりに抑えられた出題になるでしょう(私は仕事で受けられませんが)。今からもう9年くらい前になりますか、昨日終わったTOEICの形式になったときは、リスニングでも満点取得者が続出しました。私もそのとき確か490くらいで喜んでいましたが、英会話の受付に今回はできている人いっぱいいるよと言われた記憶があります。 TOEIC speaking and writingでも同様の事が起きており、初めのうちに受験して満点をとれても、今ではそう簡単に満点などでなくなっているようです。 この傾向は新しいTOEICでも見受けられることかと思います。(徐々に難易度が上がる。) 思えばTOEICは昨日終了した形式になるさらに前は、英文の間違いさがしが出ていたり、全国の最高得点者が985点の回もあったりと、今とはもっと違って日本人に寄った試験でありました。難易度はそれからじりじりと上昇傾向にあります。8年前の満点は、現在の950点前後の気さえします。 結局、それが少しづつ変化して、日本人全体の英語力に変化など見られませんし、ごく一部に英語が得意な社会人、学生の存在が見受けられるようになったことを、この目で見てはいないけれど、有意な情報として見聞きするようになった今、時代の流れを少しだけ感じずにはいられません。

     

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